母の日

母の日ということで、
実家に顔を出す。

手にはケーキ。
土産話の一つでも添えて。



元気そうな両親と会話をし、
母の手料理を食べる。

夜勤用に少し取り分けて、
職場に持参するつもりでいたが、
うっかりと言うべきか、
やっぱりと言うべきか、
全て食べてしまった。

強いて書くなら『快食』。
オレの気持ちを単語に乗せて。

ちなみに、対義語は『世辞』。
こちらは嘘だけども。



部屋を開けると、
イヤホンをしている祖父がいる。

テレビの音量を大きくしなくても
聴こえるように・・・のはずが、
おかしい。
オレの頭の中で音が鳴っている。

そりゃそうだ。
よく見りゃコードが外れている。
それはご愛嬌か。
これはご愛嬌か。



今年は筍が取れんとな。
電話で話す父の声。

さっき、オレが話した言葉は、
ものの数分で流出している。
まぁ、いいだろう。
楽しそうならそれでいい。





いつもと変わらぬ空気に触れ、
オレのリフレッシュは終了する。

また来よう。
そうしよう。

誤審

彼は駆け抜ける。
懸命のスライディング。

地を這うように。
実に滑らかに。

球春到来を告げんばかりの
積極性溢れる彼のガッツに、
オレは思わず歓声をあげる。



ただ、少し傾けた状態で、
蓋を外しただけなのに・・・

中に乗っていた小さなケーキは、
台の上を軽快に滑り落ちていく。



べちゃ。



アウトとしか
言いようのない音の後、
さば坊主球審は、
高らかにコールする。



セーフ！セーフ！



大変、美味しくいただいた。

なんじゅうし

二人の男が、
買い物中のオレの近くで話をしている。



「あ！これ好きなんだよね」
『どれ？』

「ラクス」
「ん？いや、ラクスクか」



いずれ、
アトスだったかな？
いや、アラミス・・・
などと言いそうな雰囲気に、
オレはそそくさと売り場を後にする。

パンコーナーにおいて、
彼は実に輝いていた。

４時２９分

雨の『あ』の字も降らなかった上空で、
一段と輝くその虹のかけらは、

何を告げようとしているのか。

夜勤明けのオレは、
ここでしばしの眠りにつく。

(no subject)

自らの管理不足により
ぶっ倒れていた今回。

まずは、
自分自身しっかりと生きること。
その重要性を身に染みて感じた。

そうしないと、
人の心配をするどころか、
逆に余分な気遣いをさせてしまう。
周囲に迷惑をかけてしまう。

あまりの不甲斐なさに、
オレはうなだれるばかりだった。

心にゆとりを持てるよう
可能な限りの生活リズムを作り、
とりあえずは、
己が満足出来る日々を。

そうすれば、
微力なれど協力出来ることも
増えてくるに違いない。

そんなことを考えてみる。