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手荒れ防止のために、クリームを塗る。
さらには、保湿機能向上のために手袋をはめて眠る。
手荒れの具合は、利き腕となる右手の程度が悪く、
この日は右手にだけ手袋をはめていた。
そう、確かに右手だけだった。
数時間後、既に太陽が見上げる高さにまで昇っている頃、
オレはあくびをしながらも、やっと深い眠りから解放された。
まだ、自分の身に何が起こったかに気づいてはいない。
ただ・・・
何かが違う。
異変に気づいたオレは、交互に両手を見比べていた。
そして、右手にはめていたはずの手袋が、左手に移っていることに気付いた。
確かに、右手にはめて眠った。
右手にはめていた。
眠っている間に何が起きたというのか。
オレは考えた。
何故、左手に移っているのか。
無意識だったのか。
それとも、何か別の力が働いたのか。
オレは考えた。
寝起きの頭で。
一生懸命考えた。
その結果・・・
どうでもよくなった。
とりあえず、今日も右手だけ手袋をはめて眠ろう。
話はそれからだ。
そしてそれは、これからも存在し続けるものだと思っていた。
一瞬、言葉が詰まる。
その言葉はあまりにも唐突で、
オレにとって予期せぬ展開だった。
大学生時代にお世話になったバイト先がある。
一人暮らし開始後、すっかりご無沙汰していたが、
昨日、久しぶりに足を運んでみていた。
今月で店を辞める。
話を聞いたのは、彼の提供した料理に舌鼓をうっているその時だった。
どうやら故郷に帰るらしい。
彼とはかれこれ7年来の付き合いとなる。
いつ会っても笑顔を絶やさず親しみのもてる男だった。
6~7歳、年の離れた彼をいつしかアニキと慕っていたが、
あほなオレでも本当によく面倒を見てくれた。
連絡先は知っているため、必ずしも会えないというわけではないのだが、
今までのように店に行けば会える。
という気軽なことは出来なくなるだろう。
千葉と福島。さすがに簡単には行けない。
これが最後かもしれない。
そう思うと、急に胸が詰まる思いがする。
今現在、文章を打ち込みながらも悲しさがオレを支配していく。
別れはやってくる。
必ずやってくる。
その現実を改めて思い知らされる一日だった。
アニキよありがとう。
本当にありがとう。
お互いこれからも頑張っていきましょう。
多少の犠牲を払ってでも、
欲しい力というものがある。
視覚と味覚の連動。
目で見たものの味を認識できる。
そんなミラクル。
それはブラウン管を通じても
十分に発揮することができ、
お昼前には、3分もあれば毎日お腹いっぱいになれる。
部屋には、一流シェフの料理本が並び、
パソコン内には、
幾多もの美味しそうな画像が詰められることだろう。
もう、考えただけで空きっ腹に響いてしまう。
しかし・・・
何かのはずみで、
うっかりしたものを口にしてしまった場合、
それはそれは、目も当てられないことになるに違いない。
右。
左。
右。
左。
これほどまでに息の合った二人を見たことがない。
駅へと続く通り道。
二人は苦笑を浮かべながら顔を見合わせている。
オレは駅へ。中年の男は、その反対方向へ向かおうとしていた。
「前に進みたい」
同じことを思ったに違いない。
・・・左。
5度目の鉢合わせ。
このマンマークは外せそうにない。
さて、この先どうなることだろう。