休日。鯛焼き。

もぬけの殻だった店内に、
人の気配が戻ってきた。

「ごめんなさいね、お待たせしちゃって」

大丈夫ですよ。
と、かぶりを振りながらも、
大丈夫なのか。
と、心の中で心配をしてみる。



十数分前、
店のドアを開けたオレは、
しばらく様子を窺っていた。

誰もいない。

店内は自宅に繋がっているため、
奥にいるのかもしれないと、
一度外に出てインターフォンを押してみる。

主人らしき人が出てきたが、
この人は店とは関係ない。
話を聞いてみると、
どうやら買い物に出掛けたらしい。

店を開け放して。

当然のように振られた説明を、
殊の外、すんなりと聞き入れ、
オレは本を読みながら時間を潰した。
どうせ、急ぎの用事でもない。



「ごめんなさいね、お待たせしちゃって」

聞き慣れた声がする。

その中年女性は、
手に袋を提げて帰ってきた。
待たせたお詫びにと、
鯛焼きとお茶をご馳走になる。

「寒かったでしょ」

店内のヒーターをつけ、
女性は準備を進めていく。

「ヒーターをつけたまま
　買い物に出掛けてもよかったんだけど、
　それだと危ないでしょ
　うちの人、当てにならないから」

争点はそこか？
オレは少し前に、
店内に入ってきた時のことを思い出す。





数十分後、
髪を切り終え、
軽くなった頭で外に出た。
外は相変わらず寒い。

鯛焼きは５個入りだったが、
他に誰が食べるんだろう・・・
そんなことを考えながら、
ゆっくりと車のエンジンをかける。

案外、あのまま一人店内で
食べ続けているのかもしれないな。
女性のふくよかな体型を思い出し、
納得しながらその場を後にした。

雑談続 編

先日、読み始めた本は、
面白かったせいか、
さーっと読み切ることができた。

読ませる文章だった
ということなのだろうが、
案外、怪しい精神科医という設定に、
何か引き込まれるものが
あったのかもしれない。

この症状、分かるなぁ。
などと共感しているのかもしれない。

とりあえず続編を読もう。
やはり、読書はいいもんだ。

雑談連 休

今日から訪れる
今シフト唯一の連休は、
初日から職場のレク行事に追われ、
おそらく、いつの間にか終わってしまうのだろう。

では、
来シフト唯一の連休は・・・



遠出がしたくて、
体がうずうずしている。

何か目的を持って、
どこか遠くに、車を走らせるとしよう。

ドア

深夜に訪れたにも関わらず、
そのラーメン屋は盛況だった。

Ｌ字のカウンターに、
サラリーマンたちが集う。

自動ドアを背にした席で、
オレたちはラーメンを待った。
注文確認の活気ある声が響く。



店内は暖房がついており、
寒さに震えていた客を
優しく出迎えてくれた。

暖かい風に包まれ、
出来立てのラーメンを啜る。
内側から外側から、
ゆっくりと身体を温めてくれる。



はずだった。



自動ドアを背にした席で、
オレたちは注文したラーメンを待った。

誰かが来店すれば開くドア。
同様に、誰かが食事を済ませれば開くドア。

そして、
誰も通っていないのに開くドア。



暖房の効いた店内のはずが、
着ていたダウンジャケットを
容易に脱ぐことも出来ない状況に、
二人の背中は丸まっていく。

寒い。
ひたすらに寒い。

ただ一つの利点としては、



ラーメンが何割か増しで
美味しかった気がする。



熱々のラーメンに、
寒々としたスパイス。
案外、最高の調味料だったのかもしれない。

雑談今 年の課題

毎日の更新。

昨日の内容に対し、
振り逃げはしない。

潔く、
わざとらしく、
更新を続ける。



安易な今年の課題として、
少し小説を読みたい。

古本屋で購入した４冊。

まずは、奥田氏の本に手を伸ばす。