信号無視

深夜の県道を走る一台の車。

オレはまた、
信号無視を行っている。

戻れ戻れと促す本能。
それとは裏腹に踏み込む右足。
音楽の一曲でも聴きながら、
高ぶる気持ちは抑えられない。



夜勤明けなのに
少ししか寝ないで
疲れているわけだから、
何処にも行かずにしっかり休めよ・・・

頭の中では、
もう一人のオレが、
しきりにブレーキをかけている。
両足の筋肉痛すら
完治してはいない。

だが、

身体から送られてくる
危険を伝える様々な信号を無視して、
オレは蕎麦屋へと足を運んだ。



冷しとろろそばを一つ。

舞茸天を添えて。