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今年は文庫本の小説を4冊買ってきた。
ハードボイルド。
ハードボイルド。
ハードボイルド。
ハードボイルド。
これでもかと言わんばかりの
ハードボイルドを4冊。
最終的には、
オレも読ませてほしいわけだが、
後日、借りに行った際、
もし、十数年前にやめたはずの煙草を片手に、
しわくちゃのコートの襟でも立てて、
何か思案にふけっていたらなどと考えると・・・
少しばかり心配である。
エンジンをかけんとばかりに
洗面所へ足を運ぶ。
何度か目を覚ましはしたが、
実際に動けるようになるまでには、
随分と時間がかかってしまったようだ。
視界の端に映った数字は、
このあと、辺りが暗くなることを示している。
結局この時間かと、
オレはリモコンを片手に溜息をもらす。
夜勤明けの睡眠不足と、
翌、休日昼間の爆睡。
このまま、大した睡眠もとらずに、
明日の日勤へと移るのだろう。
昼夜逆転の生活が、
すっかり身についてしまっている。
これはどうしたもんかと悩みの種であるが、
規則正しい不規則なら、
それはそれでありと思うことにしている。
夜勤が月に8回ある以上、
ある程度は仕方のないことなのだろう。
親からメールが届いた。
実家にでも顔を出しに行くとしようか。
これから、長い一日が始まろうとしている。
苛立つ日々は続くのだろう。
疑問符がつくような擁立。
見えてこない中身。
やった者勝ちの活動。
グレーゾーンが幅を利かせるこの世界、
今日も路肩には、
同じ笑顔がズラリと立ち並んでいる。
彼らは何を目指しているのか。
選挙の度に、気持ちは暗く沈んでいく。
視覚からくる情報は、
人を暗示にかけるという。
重いものを持つ時、
同じ重さのものだとしても、
黒いものより白いもののほうが、
軽く感じるらしい。
と、テレビで放送していた。
3Dテレビの話を聞いていると、
どうしても、赤と青の眼鏡を思い出す。
付録についてきたレトロな品に、
子供心はくすぐられっぱなしだった。
ならば、
あのフィルムを白色にしたら、
世の中のものが軽くなるのだろうか。
悪い視界で失敗が重なり、
頭の中が真っ白に・・・
が、いいとこなのかもしれない。
いつの間にか、
高速に乗るレーンを走行していたオレは、
間違いに気付き、
慌てて車線変更をする。
その時・・・
急に後方が賑やかになった。
見覚えのある光。
聞き覚えのある声。
嫌な記憶が脳裏を走る。
昔、スピード違反で
捕まったことがある。
『前の車、左に寄ってくだ・・・』
思い出したくもない。
それと同じことが
起ころうとしているのか。
オレの中で緊張が増していくのが分かる。
速度オーバーか。
いや、スピードは出ていないはずだ。
車線変更をした際、
慌てていてウインカーを
出し忘れていたのだろうか。
そもそも、
車線変更をしてはいけない場所だったか。
何を考えても、
考えは上手くまとまるわけもない。
ただ一つ、
彼らの『スイッチ』が入ったタイミングは、
車線を移った直後という事実。
それだけが、そこにあった。
気付かないふりをして走ってみる。
オレではないだろう。
間に一台、車を挟んで走ってみる。
他の車ではないか。
音楽の音量は下げずに、
しばらく様子を窺う・・・
そしてついに、
観念する時が来たようだ。
オレの前を走っていた車が、
ゆっくりと路肩へと車を寄せていく。
確かにパトカーは、
この車がスッとバックミラーに映った
と同時に、賑やかになった気もする。
反応の早さからして、
おそらく、禁止区域での転回か、
信号無視かといった辺りだろう。
速度オーバーの脈をなだめつつ、
オレはゆっくりとその場を後にする。
彼らのやり取りを見ることもなく、
オレはゆっくりと息をととのえた。