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いつの間にか、
高速に乗るレーンを走行していたオレは、
間違いに気付き、
慌てて車線変更をする。
その時・・・
急に後方が賑やかになった。
見覚えのある光。
聞き覚えのある声。
嫌な記憶が脳裏を走る。
昔、スピード違反で
捕まったことがある。
『前の車、左に寄ってくだ・・・』
思い出したくもない。
それと同じことが
起ころうとしているのか。
オレの中で緊張が増していくのが分かる。
速度オーバーか。
いや、スピードは出ていないはずだ。
車線変更をした際、
慌てていてウインカーを
出し忘れていたのだろうか。
そもそも、
車線変更をしてはいけない場所だったか。
何を考えても、
考えは上手くまとまるわけもない。
ただ一つ、
彼らの『スイッチ』が入ったタイミングは、
車線を移った直後という事実。
それだけが、そこにあった。
気付かないふりをして走ってみる。
オレではないだろう。
間に一台、車を挟んで走ってみる。
他の車ではないか。
音楽の音量は下げずに、
しばらく様子を窺う・・・
そしてついに、
観念する時が来たようだ。
オレの前を走っていた車が、
ゆっくりと路肩へと車を寄せていく。
確かにパトカーは、
この車がスッとバックミラーに映った
と同時に、賑やかになった気もする。
反応の早さからして、
おそらく、禁止区域での転回か、
信号無視かといった辺りだろう。
速度オーバーの脈をなだめつつ、
オレはゆっくりとその場を後にする。
彼らのやり取りを見ることもなく、
オレはゆっくりと息をととのえた。