やる気はそれほど・・・
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そのわずか数秒の間に、
どれだけの思いが込められていたのだろう。
その瞬間的な出来事に、
どれだけの出逢いが詰まっていたのだろう。
それは、本当に一瞬のことだった。
油断していたといえば、それまでなのかもしれない。
ただ、まさかここまで大事になろうとは、
オレの中ではまったく予期することが出来ていなかった。
あの時触れた右腕は、当然故意だったわけでもなく、
直後に倒れたと気付いた時には、
謝罪よりも驚きが先行していたことを今となっては思い出す。
ドンという鈍い音。
横倒しになっている状態を目の当たりにして、
ワンテンポ遅れて手を差し伸べた辺りが、その証明となるのかもしれない。
「まったく・・・」
そんな声さえ漏らしそうなオレは、
事の重大さに気付いていないとんでもない愚か者だったのだ。
何事もなく右手に力を入れる。
何事もなく力を・・・
辺りに散らばる透明の液体は、
持ち前の発泡性をいかんなく発揮している。
甘い匂いが、立ちすくむオレを優しく、かつ挑発的に包み込んでいく。
何をしているんだ畜生・・・
気の抜けたオレは、
気の抜けた炭酸水を飲みながら、
雑巾片手にフローリングの拭き掃除を始めていた。
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