アハハ

「アハハ」と笑う人がいる。



それはもう、文字通り「アハハ」であり、
ちょっと聞くと棒読みである。

しかし、顔を覗けば、
これでもかという満面の笑みを見せている。



「アハハ」と笑ってみる。



相手の目を見て、一緒になって笑ってみる。



「アハハ」

「アハハ」



「アハハハハ」



さっきまで、愚痴を溢していた自分の中の醜い心は、
オレに嫌気がさしたようだ。



笑ったことで福が来たかは分からない。



ただ、笑ったことで気持ちが楽しくなったことは間違いない。

暗く澱んでいる所に福など来ないだろう。

はじめての感謝

産まれてこの方、
一度足りて感謝したことのないものがある。



心の底から嫌になったり、

何故、こうなってしまったのだろうと悔いてみたり、

他の人はいいよなぁと憂いてみたり、

負のイメージしか纏わりつかないものがあった。



それがどうだろう。
先日から、よりによって

「ありがとう」

と思ってしまっている。

「感謝します。感謝します。ありがとう」

と思ってしまっている。

180°態度を変えている自分自身に
思わず苦笑をしてしまう。
何ということだろう。










花粉症。

本当にどうもありがとう。

あの時、買っておいた負の産物が、
こんな形で役に立つ時が来るなんて・・・
職場用のために探し回る必要性がないなんて・・・

何とか、この在庫が切れるまでに、
騒動が鎮静化していることを願う。

波状攻撃

買い物に出かける度に
彼らはオレに襲い掛かる。

この店でも。
あの店でも。
彼らはオレの視覚に衝撃を与える。

その光景を見る度、
神経が、感覚が麻痺し、
まるで、吸い寄せられるかのように
足取りが覚束なくなってしまう自分がいた。

何とも恐ろしい。
その波状攻撃。



本格的な夏を前にして、
西の方角から徐々に出荷されてくる
緑と黒に覆われた球状の刺客。

早く、大玉を丸々食べたい。
財布との格闘は続いていく。

一時はどうなることかと

いつもより早めのジョギング。
時間にして、21時前後。

少しお腹を空かせてから
遅めの晩御飯でも食べようかと、
脂肪燃焼ドリンクを飲んでから夜の街に飛びこむ。

3kmほど走ったところで、
徐々にペースが遅くなる。
いつにも増して、胸の辺りが苦しい。

1週間ぶりに走ったのと、
14時頃食べ過ぎた昼食が原因かと、
反省しながらウォーキングに変更する。

症状自体は時折あるため、
さほど気にはしていないが、
無念な気持ちに囚われたままの悲しみの帰宅。

しかし、汗を流して一息つけば、
自然と小腹も空いていた。

予定していた晩御飯を軽くつまんでみる。










・・・嘔吐。

体が食べ物を受け付けない。
胸の苦しみが、再びオレに襲い掛かる。

たまらず、布団に転がり込むと、
何とか落ち着かせようと息を整える。

しばらくして就寝。

無事に朝を迎える。

朝食は普段通りに食べられた。
頭の中は何かすっきりしない。
仕事中も何かすっきりしない。
午後になっても何かすっきりしない。

そんなオレは今・・・










サーモンを頬張っている。

18時頃、体の覚醒を感じ始めたオレは、
やっと、通常通りの生活に戻ることが出来た。

とりあえず一安心。
とりあえず胸を撫で下ろす。
一時はどうなることかと・・・

本当に、

一時はどうなることかと・・・

戦国の世

多くの名将が名を馳せ、
また散っていった戦国時代から４００余年・・・

世相が争いを好むのか？
それとも本能がそうさせるのか？





時代は、再び群雄割拠を選んだ。

誰もいない、平和だったはずの我が領土も、
数日と経たないうちに戦場と化してしまった。










レシート。

電池。

目覚まし時計。

携帯ゲーム機。

キーホルダー、おみくじ、ｅｔｃ.・・・



前回の日とは全く異なるメンツが並ぶ。
まさに戦国の世。

机の上のスペースは・・・

もはやない。