カイロ

カイロケースを購入する。
今年の冬は、十数年振りに
使い捨てカイロを本格使用するつもりである。

まだ通学という言葉を使っていた頃、
よく母親が持たせてくれたカイロ。

渡された時には、
思えば、既に温かさはピークで、
ポケット内は常にポカポカだった。

３０分、１時間とはかからない距離では、
温まる前にいくらか歩けてしまう。
少しでも寒さを和らげてあげたかったのだろう。
何分も前から揉んでくれていたに違いない。

優しさと温もりの化学変化が、
オレを芯から温めてくれた。

そんな想い出。





何だか寒くなってきた。
早速、カイロを使わなければなるまい。

ダンスホール

トントン

タントントン

時に強く、
時に優しく、
リズミカルな音が
辺りにこだまする。

ダンスシーンを彩る
黄色い衣装を纏ったダンサーたちは、
出番が待ちきれないかというように
音に合わせてホール内で踊り出していく。

トントントントン　トン！

熱気は最高潮を迎え、
会場は徐々にクールダウンしていく。
もう中には誰も残っていないだろう。
充実した一時。
心も体も温まったのがわかる。



満足な表情のオレは、
なんとなく右腕を振り下ろした。
半分、癖になっているのかもしれない。
成果を確認したい気持ちが優先していく。

結果、

視線の先に黄色い粒があった。
オレは首を傾げながら、
空き缶をゴミ箱に投げ入れる。
なかなかパーフェクトに飲みきるのは難しい。

寒空の下、
自販機の前で一人。
白い息が季節の到来を告げる。

ショートショート

「さっきから何か変だけど、
　どこか、体調おかしいんじゃないか？」



男はかぶりを振る。



「・・・答えはノウだ」










もう、ぐうの音も出ないとは
こういうことを言うのか。。。

できない

コンビニのレジで、
店員がペラペラとやかましく話している。

我慢できない。

飲食店のカウンターで、
料理人がペラペラと笑いながら話している。

オレの料理を作りながら。

我慢できない。



テレビ画面下に流れるテロップで、
本人が話している内容を
勝手に加筆・修正して放送する。

我慢できない。



料理等の提供時、
「こちら～になります」

我慢できない。
 

さらに確認時、
「～でよろしかったですか」

我慢できない。



そして、
こんなことしか書けない自分。





本当に我慢できない。

何かを書くって難しい。

旅

潮岬も行った。

鎌倉も行った。

日光も行った。





感想。





黒かった…





深夜の観光地は、
どこもかしこも真っ暗である。