ほうそう事故

せっかく買ったものだから、
ただ渡すのも気が引ける。

用意するものは、
大きな大きな綺麗な紙と、
丁寧な仕事。

これで万事解決に違いない。
オレは、にやりとほくそ笑む。



この時はまだ、

数分後、クシャクシャに
変わり果てた紙の前で、
ガックリと肩を落とす自分の姿など…

見よう見真似で上手くいくほど、
包装の世界は甘くなかった。

眠れども眠れども

気付けば眠い。

気付けば数時間。

気付けば夢の中。

気付けば数時間。



覚醒。



と、思いきや出る欠伸。

と、書いたところで夢の中。

眠い。

とにかく眠い。

眠れども眠れども。

眠い。



ただ、おそらく、

この数十分後辺りからは、

真逆の事態に陥るのだろう。

嫌な予感が付きまとう。

緊迫の時

差し出された腕は、
緊張からか心なしか強張って見えた。

ひと思いにやってくれ。

決意を新たにし、
ゆっくりと呼吸をととのえていく。

過去の記憶を辿ってみれば、
ある程度の痛みは想像できる。
ただ、不思議なことに、
結果はいつも、予想の斜め上を行っていた。

いざ・・・



真一文字に食いしばった口と、
対照的に広がりを見せる鼻の穴。
涙腺が刺激されているのが分かる。

戦いの痕跡は、
自らの指で摘まんでいる。
そこには、
たっぷりと毛のついた絆創膏があった。

採血は嫌いではない。
ただ、この瞬間はどうしても嫌いである。
まぁ、毛深いのだから
仕方ないのかもしれない。
 

イライラ

職場でのイライラが続く。

ふとしたきっかけで、
このイライラがほぐれていけばいいのに
などと考えることがある。

『イライライライラ・・・』
だったものも、
何かのタイミングで、
いつの間にか『ライライ』に。

職場でのライライなら、
特に問題はないだろう。

ライライが何かは、
この際、関係はない。

バロメーター

必要以上の言い訳が逆ギレに変わった時、

オレは何でこの人の下で
働いているのだろうと感じた。



如何にきちんと謝ることが出来るか。

自分の過ちを認めることが出来るか。



社会に出た上で、
その人間性を窺うバロメーターは、
そういったところにあるのではないかと思う。

もし、何かのトップに立つとして、
その引き換えにあるものが、
常識的な人間性を差し出すこと
だったりするならば・・・



そんな地位や名誉は、
こっちから願い下げである。